とある初期研修医の勉強記録

とある初期研修医の勉強記録です。日々の症例で疑問に思ったことを書いていきたいと思います。内容に関しては自身の所属等とは一切関係ありません。

Baker嚢胞破裂とDVTの鑑別に有用な身体所見

ベーカー嚢胞は偽性静脈血栓症(pseudothrombophlebitis)と呼ばれ、深部静脈血栓症と症状が似ています。ベーカー嚢胞はDVTのmimickerと言えます。

BMC Musculoskelt Disord. 2018; 19(1) : 345.

 

ベーカー嚢胞破裂後の抗凝固療法は出血やコンパートメント症候群を起こすため、DVTとの鑑別が重要です。Injury 1997; 28: 561-2.

では、ベーカー嚢胞破裂とDVTの鑑別に有用な身体所見とは何でしょうか。

 

 


Baker嚢胞破裂に特徴的な身体所見でCrescent signというものがあります。

Crescent signとは内果より遠位の斑状出血です。
まれな所見ではあるがDVTとの鑑別に使えます。
Ann Intern Med 1976; 85: 477-8.
実際には身体所見だけでは鑑別は難しく、下肢エコーが重要となります。

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(J Gen Fam Med. 2019; 20: 215-216.より引用)

上の写真の矢印がCrescent signです。